1989年 學藝書林
三宅 理一 (1948-)
東京生まれ。東京大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程を経てパリ・エコール・デ・ボザール卒業。工学博士。芝浦工業大学、リエージュ大学、慶應義塾大学、パリ国立工芸院で教鞭をとり、藤女子大学副学長を経て現在、東京理科大学客員教授。建築史、デザイン理論、遺産学を専攻。ポンピドーセンター、ヴィトラ・デザインミュージアムなどで多くの国際展の企画をおこなう。
従来、18世紀後半フランスの建築はロココから新古典主義へ移行する過程として、様式史的に説明されることが多かったですが、本書はそれだけでは説明しきれない建築家たちの異様な構想に注目しています。巨大な球体やピラミッド、地下空間など異質ともいえるモチーフに対し、単なる「変わった建築家の空想」と見るのではなく、当時のフリーメーソンやエゾテリスム(秘教思想)の世界観から読み解こうとするのが特徴です。
タイトルの「エピキュリアン」とは、元々はエピクロス学派の人を指す言葉ですが、近代になると「享楽主義者」「快楽を追求する人」というニュアンスも持つようになりました。本書では、18世紀のパリにおいて、既成の宗教・道徳・社会秩序から距離を取りながら、知的・感覚的・芸術的な快楽を追求し、古代世界や秘教、科学、芸術などを自由に組み合わせて新しい世界観を作ろうとした人々という側面から当時の都市計画や建築の意図を深く理解できる1冊になっています。




