1992年 平凡社
エルンスト・カントロヴィチ(1895-1963年)
ドイツ出身でアメリカに渡った歴史家。第一次世界大戦ではドイツ軍の将校として従軍し、戦後はベルリン大学で経済学を学ぶ傍ら、右翼民兵組織にも参加するなど、複雑な政治的立場をとった。ミュンヘン大学を経て、最終的にハイデルベルク大学に落ち着き、経済学の道を歩みつつ、アラビア語、イスラーム学、歴史学、地理学など幅広い分野に造詣を深めていた。
ヨーロッパ中世における王権の正統性を「王は二つの身体を持つ」という独特の理念から分析した古典的研究です。王には 死すべき「自然的身体」 と、国家や統治を象徴する不滅の「政治的身体」 があるとされ、この二重性が近代政治思想や民主主義の基盤にまで影響を与えたことを明らかにし、王権の正統性を神学的・象徴的に説明する中世の政治思想を体系的に追跡しました。
「王権から民主主義への思想的連続性」を神学的枠組みから解明した研究であり、政治思想史・法思想史における必読の古典です。




