2011年 明石書店
アマルティア・セン (1933- )
インドの経済学者、哲学者。アジア初のノーベル経済学賞受賞者であり、政治学、倫理学、社会学にも影響を与えている。無神論者。
カルカッタのプレジデンシー・カレッジで経済学を学び、アダム・スミスやマルクスの影響を受ける。ケンブリッジ大学トリニティー・カレッジに留学し、貧困・失業・搾取を経済学の基本問題として研究。発展途上国の経済を判断する際に貧困・失業・健康・分配の不平等などを分析できる理論を構築。倫理や哲学的思考によって行動を動機づけるべきとの考えをもたらした。
真実を隠す政府、真実を報道しないマスメディア、機能しない民主主義は危機を招く。本著では、正義とは何かを問うような机上の空論ではなく、一歩でも正義に近づくため、現実的なアプローチとして”不正義”をどう取り除くかという視点を展開しています。形式的な「理論」ではなく、正義について交わされてきた過去の議論を網羅的にまとめた1冊になっています。