2018年 明石書店
髙岡 豊
公益財団法人中東調査会上席研究員
現在シリアの政治・社会についての研究、イスラーム過激派のモニターを専攻とする。主な著作:『現代シリアの部族と政治・社会――ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』(三元社、2011年)
石油などの天然資源・紛争やテロリズム、イスラーム教徒の暮らしぶり、中東諸国の混乱や紛争・難民など、日本にとってますます身近な存在になった中東やイスラーム。インターネットの普及により中東地域の情報も飛躍的に増加したものの、たとえ公式見解であっても現実とは異なる場合も少なくない。本書では、俯瞰的な情報を参照したうえで、一般論や公式見解では取り上げられなかった、市井の人々の「下から目線」から現場の多様性を捉えることによって、イスラーム世界の様々な実像を描き出そうとする論文集です。「公式見解」に覆い隠されてしまった諸問題や、現場の多様性を見出すきっかけとなる1冊になるはずです。