「ジョン・ダン全詩集」が入荷いたしました。

1997年 名古屋大学出版会

ジョン・ダン(1572- 1631)

イングランドの詩人、著作家、後半生はイングランド国教会の司祭。カトリックの家の生まれで、イングランド国教会に改宗するまで宗教的迫害を経験した。優れた教養と詩の才能にもかかわらず、長く貧困の中で生き、富裕な友人たちに頼らざるを得なかった。1615年に国教会の司祭になり、1621年にセント・ポール大聖堂の首席司祭に任ぜられた。そういった背景がダンの文学作品(初期の恋愛詩・風刺詩から晩年の宗教的講話に至るまで)に反映しているという意見がある。

大胆な機知と複雑な言語を駆使し、恋愛詩、宗教詩、講話を書く。代表作に『蚤』、『日の出』といった唄とソネット、「死よ驕るなかれ」の一節で知られる『聖なるソネット10番』や『冠』といった宗教詩がある。T・S・エリオットらに影響を与え、ヘミングウェイ『誰がために鐘は鳴る(For Whom the Bell Tolls)』のタイトルはダンの説教の一節から取られている。

形而上詩人の先駆者とされるジョンダンの全詩を現代に甦らせた本書。多様な種類の文体を用いたり、詩型にとらわれない個性的な表現様式を用いたダンの詩の魅力はそのままに、新たな解釈としてダンの詩を味わうことのできる珠玉の1冊です。

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