2007年 思文閣出版
渡邊忠司 (1947-)
愛媛県生まれ。日本の歴史家。
大阪経済大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。日本近世史・日本経済史専攻。大阪市史料調査会主任調査員を経て現在、彿教大学文学部教授。
近世社会において、自立できないような零細な百姓は、年貢などを負担しながらいかにして自らの生活や農耕の日常を凌いでいたのか。経営の自立と再生産を可能としていた「条件」は何であったのか。本書では、近世社会における「百姓成立」について、領主権力による「成立」の構造を再検証し、百姓の観点から百姓自らが創出した成立の条件と構造を再検討により解明しています。近世の村と百姓の研究において誰もが初期の段階で抱くであろう、初歩的な疑問の数々について、筆者なりの解答となる1冊になっています。