2009年 小学館クリエイティブ
吉本隆明(1924~2012年)は日本の詩人、評論家、思想家です。敗戦後、詩人として出発し、『固有時との対話』などを発表。また評論家として『文学者の戦争責任』や『転向論』『高村光太郎』などで確固たる地位を築きました。文芸評論だけではなく『共同幻想論』『心的現象論』『ハイ・イメージ論』など多くの思想書をのこしました。
本書はその長く深い思考のなかからマンガ・アニメについて論じた書物になります。現在について突き詰めた『ハイ・イメージ論』のなかでマンガやアニメについて論じた「縮合論」、「語相論」、「パラ・イメージ論」も収録されています。あだち充や江口寿史、大友克洋、つげ義春などの作品を分析しその成功や限界など圧倒的な筆圧で書き上げています。中沢新一や大塚英志らとの対談もはいっていて、本書を読めば吉本隆明のマンガ論は網羅できます。