1994年 ブラム・ダイクストラ著 富士川義之 ほか訳 パピルス
ブラム・ダイクストラはアメリカの作家、文芸評論家です。
芸術や文学作品、音楽の熱心な収集家で、スタンフォード大学におおくの寄付を行い、ブラックミュージックの歴史を記録したレコード盤など多くの貴重なコレクションを寄贈したことでも知られます。
本書は豊富な図版をつかい、サロン派系の絵画が18世紀以降の西欧資本主義社会が求める女性像の形成にどのような働きかけをおこなったのかを分析した書物になります。映画やコマーシャルの世界に氾濫している女性イメージの起源を世紀末絵画に読み解いてゆきます。
女性嫌悪や差別意識が白人男性優位の支配性を煽り、やがてジェノサイドへ至るという結論に激震する1冊です。